さて具体的に2つの長期運用の方法に関してみていきましょう。
今回は長期を時間軸とした投資運用に注目したテーマのお届けになります。
「長期キャピタルゲイン戦略」と「長期レンディング戦略」
それぞれを順番に見ていき、それぞれを比較していくというのが今回のテーマとなります。
まず一つ目ですが、
1.キャピタルゲイン戦略
キャピタルゲインとは…
保有している資産を売却することによって獲得する売却差益のことです。
10万円で購入した仮想通貨が、15万円になったときに売却した場合、差額5万円がキャピタルゲインになります。
逆に10万円で購入した仮想通貨が5万円になったときに売却した場合、差額5万円のキャピタルロスとなります。
今回はこのキャピタルゲイン戦略についてより詳しく掘り下げてみていきます。
長期投資の運用方法の一つとしてキャピタルゲイン戦略、具体的な戦略としては3点あります。
- 市場分析
- 積立投資
- 長期保有
1. 市場分析
相場というのは常に変動し上下運動を繰り返します。
この上下運動する要因としてはチャート上のテクニカルな分析、もしくは経済状況含め様々な外的要因(ファンダメンタル)が含まれます。
こういった要素を緻密に分析して適切な売買タイミングを見極めます。
2. 積立投資
積立投資とは定期的に一定額の仮想通貨を購入していきます。
購入の仕方は、平均取得単価を抑えるドルコスト平均法を活用していきます。
ドルコスト平均法は、長期に渡って分割して購入することで、購入単価を平均化し、リスク回避をすることができる手法です。
すぐに結果を求めるような短期運用者向けではなく、長期的な視野で資産運用を考えている人向けの手法です。
また、一度に多額の自己資金を用意する必要もなく、少額でもいいので、毎月コツコツと定期的に決まった金額の投資ができる人向けの手法です。
積立投資は投資初心者向けの戦略になります。
3. 長期保有
上下の価格の浮き沈みに翻弄されず、大幅な価格上昇を期待してゆっくりじっくり時間をかけて利益を待つのが長期保有です。
市場分析と積立投資をしつつ、将来的な上昇を見越して投資をしていきます。
ここで用語の勉強です。
ガチホと塩漬け
長期保有することを「ガチホ」と言います。由来は、「がっちりホールドする」ことの略語です。
将来上昇するだろうとガチホした仮想通貨が、期待通りの上昇推移を見せてくれたら、大きなキャピタルゲインの獲得となりますね。
ただ、前述もしたように、価格は上下運動を繰り返す生き物なので、保有した仮想通貨が期待通りに上昇してくれるとも限りません。
もし、一旦下降してしまった場合は、売却してしまうとキャピタルロスとなってしまうので、再び上昇して利益が出るまで長期保有することになります。このマイナス状態でも我慢して保有することを「塩漬け」と言います。
「ガチホ」はポジティブな長期保有、「塩漬け」はネガティブな状態だけど先々のポジティブを見越しての長期保有です。この2つの用語は覚えておいてください。
何が言いたいかというと、一時の上下運動で一喜一憂せず、時間を味方につけることが長期保有の考え方です。この長期保有(ガチホ)メリットをみていきましょう。ガチホのメリットですが、大きく3つあります。
一つ目は
「相場を気にする必要がない」
長期保有を前提としているので、短期的な下落を気にする必要がないというのが大きなメリットです。
二つ目は
「専門知識が必要ない」
購入した仮想通貨は、ひたすら保有を続けるだけならば、細かい投資戦略は必要ありません。長期的に値上がりすれば利益につながる為、専門知識はそれほど必要ありません。
三つ目は
「手数料を抑えられる」
仮想通貨を売買するときには、都度手数料がかかります。短期取引に比べて長期保有の場合は取引頻度が少ないため、手数料は抑えることができます。
以上が、長期運用キャピタルゲイン戦略の概要となります。
次に2つ目の戦略であるレンディング戦略についてみていきましょう。
2.レンディング戦略
仮想通貨レンディングとは
保有する仮想通貨を取引所や第三者に一定期間貸し出し、利息を獲得する仕組みです。
これは銀行にお金を預ける定期預金に似ていて、投資初心者でも始めやすく人気です。
よく耳にする、ステーキングと関連のあるものですが、性質が似ています。
・レンディング
→仮想通貨を貸し出すことで利息を得るサービス。
・ステーキング
→仮想通貨をブロックチェーンネットワークに預け入れることで、そのネットワークの運営に貢献し、報酬を得るサービス。
そもそもレンディングは株や債券ではポピュラーな投資法です。
保有する株や債権を証券会社に貸し出して賃借料を稼ぐという証券用語から来ています。
株や債券を仮想通貨に置き換えたものが、今回の仮想通貨レンディングとなり、仮想通貨を貸して稼いでいくモデルになります。
レンディングをすることで皆さんはトレード売買以外でも収益を出すことができるんです。
レンディングのメリット
①専門知識が不要
レンディングは専門知識が一切必要ありません。
そのため仮想通貨初心者の方でも安心安全に参加できます。
レンディングサービスしている取引所に保有している仮想通貨を預けるだけなので、難しい知識は必要ありません。
トレードの売買技術を習得する必要もなく、価格動向の分析も必要ありません。
トレード売買が苦手でレンディングで収益を出せるんです。
②高い金利を獲得することができる
レンディングは長期で保有予定の人におすすめです。
長期間貸し出したほうが、比較的高い利率の場合が多いからです。
仮想通貨を保有しているけど、しばらく売却予定のない方、しばらく放置したい方はレンディングをおすすめします。
③トレード売買の必要がない
レンディングはトレード売買とは異なり、インカムゲインで収益を出すモデルとなっています。
トレードではなく、インカムゲインをコツコツ獲得していく為、初心者でも簡単に参加することができます。
以上3点がレンディングのメリットとなります。
初心者の方でも敷居が低く、参加しやすいイメージができたと思います。
レンディングのデメリット
①元本割れのリスクがある
基本的に途中解約ができないため、自分が貸し出した価格から下がってしまったとしても、貸し出した仮想通貨は動かすことができません。
なので、リスクヘッジとして、予算・貸し出し期間・数量は事前に決めておきましょう。
とはいえ、下がる一方、貸し出した価格から上がる場合もあるので、この時は二重の利益を獲得することが可能となります。
投資初心者の方はいきなり大きな金額を動かそうとするのではなく、まずは少ない余剰資金から参加してみることをおすすめします。
②トレード売買に比べて利益が小さい
よりたくさん稼ぎたいという方は、トレード売買でのキャピタルゲインを狙ったほうがいいです。
一方で、トレード技術のない方、分析ができない方、特に投資初心者の方や長期で保有予定の方は毎日コツコツ利息を獲得できるのでレンディングがおすすめです。
③途中解約が基本的にできない
貸し出す→解約する→他の通貨で貸し出すを繰り返すと、解約手数料や取引手数料で収支がマイナスなる可能性があります。
なので、長期保有を決めた仮想通貨でレンディングをすれば問題ないです。
以上がレンディングのメリット・デメリットでした。
3.二つの投資戦略比較とまとめ
「キャピタルゲイン戦略」と「レンディング戦略」をそれぞれみていきましたが、あなたはどちらがしっくりきますか?
キャピタルゲイン戦略はひたすらガチホするというモデル、レンディング戦略はガチホはガチホなんですが期間中コツコツ利息を獲得するモデル。
向き不向き、好き嫌いはありますが、コツコツ確実に利益を積み重ねていきたい、という方はレンディング戦略がピッタリです。
急いで利益を欲しがることなく、長期でコツコツ積み重ねながら利益を膨らませていく。
しかも、複利効果も活用すれば最終的には大きな利益につながっていくかと思います。
ガチホによるキャピタルゲイン戦略はマイナス域に突入してもプラス決済までひたすら長期保有していくという部分では、時間効率の面ではよくないかもしれません。
長期の時間軸で考えたときに、どちらのモデルを選ぶかは本日学んだ内容から判断されてみてください。